【白い景色と白い友達】Calafate−アルゼンチン
2018年5月1日
いまキャンプしている場所は、おなじみのホテルと併設されているキャンプグラウンド。
あさ9時ぐらいにならないと中のキッチンを使えずそれまで寒さに震えていなければならないが100アルゼンチンペソ(500円)ほどなので、アルゼンチンでいえば破格の値段だった。
今日は出発日なので、6時ぐらいに開けてもらい朝食を作る。
長期でチャリダーをやっている人ならわかってくれるが
どうしても朝食を抜いてしまうと腹ペコすぎて、あるものをひたすらに食べてしまうのでしっかり食べなければならない。
出発してすぐの街の中心地、犬がいきなり脇から飛び出してきた。
そして、吠えるでもなく並走してきた。
ガソリンスタンドでガソリンを買っている間も私のそばにいて「なつっこいやつだなあ!」となでてやった。
これが決定打だったのかもしれない。。。
なんと街の外まで着いてきてしまったのだ。
なでたあとはこっちを様子を見るように先を走っていたから、むしろ自分が犬に付いてきた形だけど。
ずっと「付いてきてるかな?」と時々こちらを確認するように振り向きながら歩いていた。
「そのうちいなくなるだろ」とほっといたが…。
ついに街の出口に到着してしまった…。
さてどうしたものかと考えたものの
「ついてくるならついてくるで楽しくなりそうだ」と考えてしまった。
どのみちついてくるなら、いつも通りの速さで走って付いてこれたら連れて行こうと考えた。
下り坂で30km以上の速さで離したものの
次の上り坂で後ろの方から頑張って追いついてきたので、これはもうこっちも連れて行くのを覚悟するしかないなと感じた。
休憩中のワンコ。なんだかんだお茶目なやつ。
タカが動物の肉を食べているところを私が撮っていると…。
必ず邪魔しにワンコがやってきます。
さきのほうでワラビー(アルパカの亜種)がいるとワンコが鉄砲玉のように飛んでいって、追い払ってから待っている。
これじゃあ動物の写真が撮れないじゃないか…。
昼飯時。
流石にここまで着いてこられたら仕方がないので、本当に連れていくことにした。名前はとりあえず「シロ」と呼ぶことにしている。あまり愛着をもたせすぎないようにだ。
連れて行くことにしたので、パスタやトマトなどを与えようとするも好みじゃないのか見向きもしなかった。
パンもあったのであげてみるとパンは食べた。そんなにお腹が減っていないようなので、かわりに私が目一杯たべた。
上り坂になってきた。進むのが遅いのでシロは前の方で私を待ちながら動物を追っかけたり、草とじゃれたりして遊んでいた。
自転車とシロ。
自転車があるところに私が戻ってくるのを知っているので、少し離れても自転車のところで待っている。
坂を上りきって、進むとそこは…。
銀世界だった。
シロにとっては寒い上に雪の上を走るのは辛いのではと思ったが、楽しそうに走っており通り越し苦労だったようだ。
日も落ち始めていたので、早めに野宿場所を見つけないと大変なことになる。
そう思っていた矢先に、別のチャリダーが向かいから走ってきて情報交換する。その間もシロは私のそばをはなれなかった。
1時間ほど走った先に橋があったのでその下に風と雪を防ぐように、テントを張った。
シロの寝床をどうしようか考えていると、考えを汲み取ったようにテント横の茂みに自分で寝床を作って丸くなった。
心配ではあったのでテント内から呼んでみるもシロは茂みで満足そうだったので、そっとしておくことにした。
それぞれが寝静まってから、夜中の吹雪いて寒い0時に目を覚ました。
「シロがヤバい!」と思いテントの入口を開けて「シロ、こっちにおいで!」というといそしそとテントに入ってきた。
入ってきた瞬間に私の顔中を舐め回し始めた。
「うひゃひゃいやシロうひゃ舐めるんうへえひゃ」
それから身を寄せ合って、寒い一夜を越えたのだった。