【聖地の終わり】Ohigins〜Chalten−アルゼンチン
2018年4月16日
昨夜は真っ暗の中、アルゼンチン側のイミグレ前の広場で野宿をした。
朝起きてテントから冷たい空気を切り裂くように入り口を開けると
「雪だらけじゃねえかああ」
本当にびっくりした。積もるレベルまで冷え込んでいたとは思わなかった。
周りのチャリダーたちは起きるたびに
「ヒャッホおおおお!!!」
とまるでマリオのような声を出して、犬のようにはしゃぎまわっていた。
これから行く方向にそれはキレイな雪山がそびえ立っていた。
「アルゼンチンにようこそ^^」
これから厳しくなるぞといった煽りと歓迎されているようだった。
寒すぎて腹ペコで辛いので、ストーブで暖まりながらパスタを作る。
お腹を満たしてから、イミグレに手続きに向かうもアッサリと終わり準備が整った。
あとはフェリーが到着するのを待つだけだ。
ただの物置小屋だがフェリーを待つのにちょうど良かったため、みんな待ちながら濡れてしまった衣服やテントを乾かしたりしていた。
お、フェリーが見えてきた!!!
思ったよりも小さい。
みんなで自転車を乗せる。
他の数名はここの近くのトレッキングをするためにもう一泊すると言っていた。
はじめと同じように騒ぎ始める、いまとなっては仲間なので他の乗客の方すみませんでした。
渡ったのが11時半だったのでそれぞれで昼食を食べる。
一人の徒歩できているギオマというロシア人は「じゃ、歩きだから先行くよ」といって先に向かった。
私以外のチャリダー全員女性だった。
うっはwwハーレムwwwww
とか浮かれていた。
紅葉と雪の絶景はなかなかみれるもんじゃない。
テンションも高く出発する。
がなんだかタイヤの空気圧が弱い気がする…。
走る道路は幸い雪がなく、川かと錯覚するほどの水たまりはあったがなんとか走れる程度だった。
タイヤの空気がおかしいと思っていたら
完全に抜けきってしまった。
急いでパンク修理をして、みんなとの遅れを取り戻す。
坂を下っているときに
ドンッ!!
と大きな石に乗り上げてしまい、その衝撃で前輪がパンクした。
焦る気持ちで修理をするが、複数の穴があいているのを確認してしまっていたためにまたペシャンコになってしまう。
大幅に遅れてしまい、追いつくのは不可能な距離になっている。
ここまで来ると気が狂いそうだった。
まるで自転車が「あんな女たちにかまけてるなら、メンテナンスしてよね!」と言っているようだった。
その後も十回以上のパンク修理で、鬱々としているところに車から声を掛けられた。
その車にはチャリダーとは別で歩いていたギオマが乗っていて、走っていた車をヒッチハイクしていた。
「乗りなよ!」と視線を向けていた。
いや、最後の最後に乗るわけには…。
はい!乗りました!wwwwwwww
結局説得されてしまった。
こういうのも面白いかもしれないと思ってしまった。
車からの景色はアウストラル街道が、お別れをいうように絶景を惜しみなく見せていた。
しかし私のココロは、複雑な心境だった。
乗せてもらった安心感と、楽をしてしまった悲壮感でだ。
「元気出せってwwこのなまけ者wwww」
運転手のおじさんから貰ったクッキーは、私を慰めてくれているようだった。
それから他のチャリダーを追い抜かして、チャイテンで到着した。
イエーイ…。
パン屋でみんなで合流して、到着を祝ってパンパーティーをしてそのまま併設されているホテルに泊まることになった。
なんだかパンパーティーって卑猥な響きだな。
なんだかんだでさすがのチャリダーの聖地だった。
だが、二度目があるなら・・・
もうチャリで来たくないけどね!!