【凸凹兄弟】Cochrane〜LagoVargas−チリ
2018年4月8日
この日までコクランという街の「AnaLuz」という有名なホテルに泊まっていた。
値段は安いものの、オーナーのアナさんが段々と私に仕事を頼むようになり、エスカレートしていくのを感じて
という断腸の思いから、出発を決めたのだった。
キッチンもあるので気合を入れて、朝食をしっかりと食べる。
左下の肉のようなものは「パテ」といって、パンに塗るようのペースト状の肉だ。
物価の高いチリやアルゼンチンで100円ほどで購入できるのでオカズとして重宝していた。
朝の空気はキリッとしており気持ちも引き締まる思いだ。
厚手の手袋がないとキツイ時期にはいっていたので、ボリビアで購入しておいて良かった。
6時はまだまだ日が上りきっていない時間だった。
日の上りまで遅くなった、これでは走れるタイムリミットも短くなっていくばかりだ。
日が差し込むと冷え切った空気が、ほのかに温かみをおびていく。
希望の朝そのものの景色で出発を舞妓するようだった。
ずっと天気が良く、壮大の自然と心地よい風の中を走っていくのはとても気持ちが良かった。
ちょうどよいところがなかったので、車にじゃまにならない程度に広げて昼食を食べる。
まさにこの場所がそうだった。
晴れになって困ることは同じ絶景でも、少し違った角度からみたときに「こっちのほうがキレイに見えるか」と同じような写真を何枚も撮ってしまうことだった。
牛注意の看板を落書きしたのだろう。恐ろしい闘牛の絵が描かれている。
こんなやつが飛び出してきたら死を覚悟しなければならない。
今日一日言うことなく、透き通った清々しい気分で走り抜けた。
出発地から120km先にフェリー乗り場があるので、その半分の60km以上は走っていたので、もう野宿場所を決めてしまってもいいだろうとキョロキョロしながら走っていると、これまた変な場所にバス停を見つけたのでテントを設置しようと近づくと、バスを待っている家族がいた。
お母さんは無愛想だったが、子供さんたちがとても懐っこく自転車と私に興味津々で話しかけてきた。
話していると弟は忙しなく騒がしく、お兄ちゃんが落ち着いていてバランスの取れた兄弟だった。
折り紙で鶴を折ってあげると、お兄ちゃんは宝物でも受け取ったように大事そうに受け取った。
しかし、弟が乱暴にそれを奪いそこから追いかけっこが始まった。
追いついてはくんずほぐれつのじゃれ合いを始める。
それを見ながら「ああ、平和だなあ」と心の底から思った。
夕方頃にバスが通りがかり、その家族は手を降って出発していった。
ほんのり寂しさを感じながら、テントに入った。
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