世界で孤軍奮走

元自衛隊が自転車で世界一周するブログ

【自転車でトレッキングコース】Ohigins〜Chalten−アルゼンチン

あれから一応のアウストラル街道の終点であるオイギンスに到着した。

 

船が到着する日までここの場所で立ち往生していた。

 

 

もう一人自転車でアウストラル街道を走り抜いたチャリダー、イスマエルくん。

 

キャンプサイトで知り合い、気がすごく合いすごく仲良くなった。

 

まだ店でアルバイトがあり、残るイスマエルを見て「オレもちょっと残ろうかな」と考えた。

 

 

明日の船が出るか聞きに行ったときに船長に

 

「次の便に引き伸ばしたいんですが」と聞くと

 

「それもいいけど、今回は出るけど次回出なかったらどんどん伸びることになるぞ」

 

と言われて苦渋の思いで出発することにした。

彼がイスマエルくん。金が全然なく働きながら旅をしていた。

 

惜しいが今日で離れることになった。目的地はウシュアイアなので、また会えるかもしれない。

 

2018年4月15日

ついに船で湖を渡り、アウストラル街道とサヨナラする時が来た。

 

船は8時出発なので、7時半までに来てくれと言われていたので5時に起きて準備をした。バッチリだ!

 

 

6時に出発してまだ外は暗闇に包まれていた。

 

街の中はまだ街灯があったのでまだ走れたが街を抜けた途端に街灯がなくなり、私も暗闇に包まれてしまった。

 

「やべえ、何も見えねえ」

 

頭に着けたヘッドライトは弱々しく、光は少し先だけを照らし手を伸ばせば闇に吸い込まれる。

 

舗装もされていないため、スピードをあげようものなら奈落の底に落ちてしまいそうだった。

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横は崖になっていたり、側溝になってたりもするので油断したら落ちてしまう。

 

真顔wwwwww

先程までウキウキだったのが、時間も7時半を過ぎて絶望感も漂ってきた。

 

 

 

それでもなんとか港に8時に到着した。

 

しかし人っ気が全く無く、かと言って出発した様子もなかった。

 

 

とりあえず記念写真を撮る。

 

すると大勢のチャリダーたちが遅れて到着した。

9時にやっと出発することになって、それぞれが自転車を積み込む。

 

人数によっては前輪を外さないといけなく、一人が前輪をはずしていた。

 

 

荷物は全員取って乗せた。

 

 

乗ってると初めは静かだったものの、段々とすでに仲良いグループが騒ぎ出した。

 

「またこんなんかー修学旅行じゃないんだからー」と傍観していた。

 

となりのアナンというインド人が手を何度もこすり合わせて、とても寒そうにしており見かねて毛布を貸してあげた。

 

 

到着してからはそれぞれが準備を始めた。これだけのチャリダーが準備をする光景は競技でも行うかのようだった。

 

私は船で仲良くなった、フランス人のクレムという男とその弟くんと一緒に出発した。

 

 

下り坂を走っている途中ですぐにパンクしてしまい「さきに行ってて!」とクレムたちに先に行ってもらい、パンク修理をほどこす。

 

さっきの暗闇でパンクしなかったのはラッキーだった。

 

しかし速攻でパンクしたのは少し情けないw

 

 

なんとかイミグレまで到着すると、猫ちゃんがお出迎えしてくれた。

 

私が入国時にもらった大事な紙を、レシートだと思って捨ててしまっていて時間がかかってしまった。

 

「やっちまった」

 

入国した場所の電話番号を調べるために警察に電話したり、入ったイミグレで手続きしたか確認したりした。

 

その間終わっているチャリダーたちが「大丈夫?なにか手伝えることある」ときいてきてなんとなく救われる気分になった。

 

全てが問題なく終わりみんなから大幅に遅れて出ると、なぜかチャリダー全員が待っており歓声が上がった。

 

「い、いえーい」

とても複雑な顔をしながらな歓喜だった。待たせて申し訳ないのと、やっと進めて嬉しいのとでだ。

 

 

記念撮影してまた各々のペースで進みだした。

 

 

各個人の距離が離れていって、もうそれぞれがほぼ一人で走っていた。

 

私も誰がどれぐらい前で、後ろにいるのかわからなくなっていた。

 

 

国境に到着する頃にチャリダーのクリスタが追いついてきた。

 

記念撮影。ここからが本当の佳境だったのだ。

 

 

「アスレチックコースですか?」

 

細すぎるトレッキングコースのような道と、たまに川にかけられた頼りない丸太橋。

 

そんな道のりだったのでクリスタと協力しながら進んでいった。

 

急すぎる坂になれば、二人して引き上げ。

 

泥にタイヤをうまれば、後ろから押したりと二人でなかったらもっと大変だったかもしれない。

 

終盤でグレッグというチャラ男風の男が助けに駆けつけた。

 

これからとても楽になり、スイスイではないがすすめるようになった。

 

しかし私達の靴は泥まみれのぐちゃぐちゃのグチョグチョだった。

 

だれがこんなとこ最初に、自転車で通ろうとしたんだよ!!

 

みんな徒歩で無理してチャリダーがついて行こうとしたのだろうか。それにしても無謀である。

 

周りも暗くなって来た頃、クレムたちも自転車を置いて助っ人しに来てくれた。

 

サイドバッグがつまりそうな場所もカバンを持ってくれたお陰でスイスイと通り抜けることができた。

 

 

一致団結して苦難をくぐり抜け、そして真っ暗闇な広場にたどり着いた!

 

キャンプ場ではないものの、テントを張って良い場所だ。

 

小雨も振り始めたのでテントを張ろうと荷物をおろしていたところ

 

「あー!!!」と大きい声が聞こえた。

 

駆けつけて見ると

 

クリスタのカバンの中でトウモロコシの粉が袋を破って飛び散っており、悲惨なことになっていた。

 

こんなところで満足に整備することができないのでクリスタは果てしなくショボーン(´・ω・`)としていた。