世界で孤軍奮走

元自衛隊が自転車で世界一周するブログ

【坂地獄】テペク〜グランドキャニオン -アメリカ

8月7日

 

昨日、野宿を敢行した。

夜中は牛がわりと近くまで接近してきたが、なにも害を加えてきませんでしたが

すごいプレッシャーでした。

 

 

今朝、えっさほいさと積み込みをしていると車がUターンしてきます。

 

また興味本意の話だけパターンか…。

 

と脳内で会話テンプレを考えていると、降りてきたのは二人。 

一人はまだソルトレイクに滞在中のはずの台湾チャリダーのチョンじゃないか!

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彼とはイエローストーンからそれっきりだった。

 

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あとで合流しようとしていましたが

まさか車で友達と周りを観光をしているとは思いませんでした。

 

偶然の再会を喜びながら

荷造りの手伝いと朝食のバナナを頂き、彼らもグランドキャニオンに向かうそうです。

 

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私もペダルを漕ぎ出す。 

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道端でネイティブアメリカンの方々が

アクセサリー等を出店で売っているのをよく見かける。

 

 

順調に走り続け、グランドキャニオンに続く道があるキャメロンまで昼時に到着。

昼食を取ろうとしたところ、鞄の中で

 

チョコシロップが破裂して悲惨なことになっていた。

 

とりあえず拭いて済ませる。

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キャメロンにて。道横に使われていないのかわからない橋がかかっている

 

 

グランドキャニオンまで看板で27マイルほど。

 

楽勝じゃないか。

 

最悪、坂で押しても19時までには着けるだろうと見て出発した。

 

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64号線。予想どおり坂だ、それは問題ない。

問題はすでに27マイル過ぎたのに到着しないこと。

 

 

そこにあったのはグランドキャニオンと書かれた看板のみで入口はまだ先にある。

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着いたと勘違いして、ぬか喜びする図

 

相当嬉しかった…

 

 

 

既に満身創痍で、坂を7時間走っており

 

「フラフラ走ってるけど大丈夫?!」

とバイカーにUターンしてきて心配されたぐらいです。

 

そんな中やっと入口に辿り着き料金の15$を払い

ふとキャンプ場について聞いてみる。

 

22マイル先よ」絶望した。

 

このときほど気が狂うかと思ったときはなかった。

 

「あとは8マイル戻ったらフリーのキャンプ場があるわ」 

国立公園での野宿は警備に見つかり易そうでできなさそうですし。

 

最悪の決断を迫られた。

 

もう一度あの道を走る?

はたまた閉まるかも知れない長い道のりを走る?

 

もうこの際、逝くとこまで逝ってしまおうか。

 

 

不思議とこういうときは可笑しくなってしまって笑ってしまう。

 

そして進むことにしました。

 

 

 

 

覚悟を決めたすぐ後に、入ってすぐにキャンプ場があることに気がついた。

 

「なんだよ!あるじゃないか!」と看板を見ると

「空きなし」と書いてあり納得した、が諦めはしていません。

 

こういう時こそ、諦めてはいけない。

声をあげなければ何も伝わらない。

それはアメリカに来てからつくづく実感してきたこと。

 

 

彼らは特に「察する」という文化はあまりない。

かといって不親切ではなく、むしろ積極的に親切である。

例えるなら「主張したことが全て」といった感じだ。

 

 

 

とりあえず、キャンプ管理者に交渉してみる

「今日泊まりたいんです」

 

「予約は?してなくちゃ、空いてないよ」

 

「どこでもいいんです、今日10時間くらい坂走ってもう動けなくって…」

 

「うーん、ちょっと来なさい」

 

少し裏の方に連れていかれる、すると

 

「ここでもいいんなら、テント張りなさい」

 

「ありがとうございます!いくらですか?」

 

「君は私のゲストだ、お金はいらないよ」

 

イヤッホウ!

 

 

 

その後管理者さんの奥さんにプディングをご馳走になり

満天の星を満喫した後、暖かく眠りについた。

 

 

 

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