【バンクーバーの夫婦-別れ-】バンクーバー -カナダ
6月19日
約束どおりバンクーバーにて3度目の再会を果たし
デニス達の所にお世話になって5日が過ぎ
とうとう、今日が出発の日だ。
楽しい日々を過ごさせてもらった。
初日にて、車で出掛けた時は
まだ来て日が浅い私を、案内してくれようとしてくれた。
しかし、少し前にデニスが
皮膚が荒れる病気を貰ってしまったらしく調子が悪い時だった。
そんな中でもデニスは同行し、奥さんの運転で見て回った。
日本と雰囲気も違いとても楽しむことができた。
奥さんが歩くのが早く、先頭を歩いてるのを見て
「俺たちのボスだ」と冗談半分でデニスが言った。
それを聞いて吹き出し気味に「その通りだね」と笑って返した。
ある昼下がりに日本の漢字で当て字で彼らの名前を書いたときは
とても喜んで貰えて、そのメモは飾られている。
そしてある夕食、デニスと私だけで作ることになり
デニスが
「わたしが作るから任せて(´・ω・`)b」
これぐらいでいいかな?とパスタを見せられ。
「もっと!」と言ったのがいけなかった…
でてきたのは皿いっぱいのパスタとミートソース
キッチンよこには1㎏入ってたパスタの袋が
あと0.2㎏ほどしか入ってなかった。
デニスは調子が悪くあまり食欲がないので
私がこのエベレストをほぼ攻略しなければならない。
たしかにパスタはマーガリンの風味を効かせ
ミートソースは若者向けに濃いめの味付け
美味いけど…多い…
後々わかったがミートソースは後に残しておくほど辛い、少し辛いが
完食。
「すごいな!」
と言って皿が下げられた。
と思った。
「ほらまだあるんだ、食べてくれ!」
満面の笑みだ。
私はこの笑顔を消したくない。
私も笑みを浮かべ、腹痛へのチケットを受け取ったのだった。
さらには水ではなく彼の好意により、ビールである。
腹はパンク寸前!
死に物狂いで目がどっか逝ってしまいそうになるが
「うまいうまい!」と食い続けた。
胃などとっくに一杯だったため最後の一口を無理矢理、口に押し込んだ。
デニスがそれはとても嬉しそうに笑っていて
この為に私は頑張ったんだ!と思えた。
デニスが鼻唄を歌いながら下げるのを見計らい、トイレへと一目散に駆けた。
その後3時間は腹の痛みと気持ち悪さで
一人ベッドの上でもんどりうっていた。
生活にも慣れてきたころ、二人を喜ばせたいと思い。
ジャパン式カレーを作ることにした。
キャンプ三昧で必然的に鍛えた、料理の腕を見せるときがきたようだな!
ジャガイモが荷崩れた以外は難なく作り
出したところ、デニスの好物はカレーだったらしく。
おかわりをしていた!
そんな楽しかった日々が過ぎ去り
別れの当日とは考えられないほど現実味がなかった。
私は別れを交わし、また駆け出す。
元々孤独で、元通りになっただけ。なんてことはない。
彼らは最後まで寂しそうな笑顔で優しく手を振っていた。
俺も見えなくなるまでは、笑顔で走ろう
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