デスバレー ~ヨセミテ【道は繋がりて】
ヒロセくんとは現在、別行動を取っている。
モノ湖を早く見ようと横道に私だけ行くことにした。彼は正式な場所に行く為もっと走るらしい。あとで合流する予定だ。
そんなことをしたもんだから、ダートになるわ戻れなくなるわ、道がわからないわ、靴を犠牲に川を渡ることになるわ大冒険することになった。
なんとか、様々な人に聞きながら元の道に戻ってリーバインの町でヒロセ君と合流した。
なんとそこにはイエローストーンで出会った女装(コスプレ?)したサイクリストとそのバディが居た。
初対面だと少し警戒していたが、二度目にもなると親近感が湧いてしまう。お互い嬉しそうにどこにいってどうしてたかを話した。
そしてヒロセ君がランドリーで洗濯をしたいそうで、追い付かれるのを考慮し私は先にヨセミテに向かうことにした。
ラスボスがデスバレーだとしたら、裏ボスはヨセミテだ。
坂が急で横が狭く上手く走れない。最終的に遥か彼方にさえ見えない入り口に絶望しながら、ひたすら押して進んでいた。
出発してから3時間が経った。
ヒロセ君は来ない、私もあまり進めない。そんな時だった。
「助けは必要?!」と荷台のある車が止まった。
颯爽と乗り込み、ヒロセ君を迎えに行く。
しんどそうだが、順調に歩を進めている彼を見つけた。車から降りた私をみるや安心した顔をした。
それからは助けて頂いたサラたちと同じ場所にテントを張り、夕食をご馳走になり、さらにサンフランシスコで泊めて頂くことになった。
上手くいきすぎだ。
こうまでくると運命みたいなモノを信じたくなってしまう。
なるべくしてなった。
出会うべくして出会ったそんな気さえする。